保湿について正しく理解しよう!

スキンケアやエイジングケアにおいて、保湿は最も重要です。だから、保湿についての正しい知識を身につけることが大切なのです。そこで、今回は、スキンケアの基本である保湿についてご紹介します。

保湿に重要な役割を担う要素

肌には水分が必要で、なめらかで潤いのある保湿された肌には、角層に約20%~30%程度の水分が含まれています。その場合は、肌のキメが整い、透明感やハリツヤがあります。

肌が水分を保持し続けるために必要な成分が、保湿の3大要素と呼ばれる、皮脂膜、NMF、角質細胞間脂質です。この3つの成分が、お互いに助け合ってバランスよくはたらくことで、角層内の水分が一定の状態に保たれ、保湿されるのです。

さらに、皮膚常在菌の代表格である表皮ブドウ球菌は、皮脂を餌にして生息し、皮膚を弱酸性に保つことで、雑菌などの侵入を防ぎバリア機能の維持をサポートしています。また、表皮ブドウ球菌が分解する成分が皮脂や汗と混じりあってNMFやグリセリン、脂肪酸をつくり出します。このように皮膚常在菌も、保湿を側面からサポートしているのです。また、毛穴や皮脂腺に棲んでいる毛包虫である顔ダニも、皮膚常在菌をサポートします。

このように、水分、皮脂、NMF、角質細胞間脂質、皮膚常在菌の5つが、表皮の角層で協力しあいながら、それぞれの役割を果たすことで保湿を担っているのです。

保湿のポイント

保湿を意識してつくられたアイテムは多くありますが、肌に水分を与える、肌の水分を保持する、肌の水分の蒸発を防ぐという3つのはたらきに注目して商品を選びましょう。

肌に水分を与えるのは、水分の多いローション系の基礎化粧品の役割です。
肌の水分を保持するのは、表皮の角質細胞に元からあるNMFやセラミドが担っています。この役割を担う化粧品成分としては、セラミド、プロテオグリカン、ヒアルロン酸、コラーゲン、エラスチンなどがあります。

肌の水分の蒸発を防ぐのは、皮脂膜が担っています。しかし、加齢で減少する皮脂膜を補ったり、空気が乾燥している場合に油分を補うために、乳液や保湿クリームを使うことが必要になります。この役割を担う化粧品成分としては、シアバターやスクワラン、アルガンオイル、椿オイル、オリーブオイル、ホホバオイル、ワセリンなどがあります。

このように、水分を与える、保持する、蒸発を防ぐ、という3つが揃って十分な保湿ができるので、保湿のプロセスと同じようにスキンケア化粧品も、洗顔後に、「化粧水 → 美容液 → 乳液 → 保湿クリーム」の順番で使いましょう。

さらに、保湿をキープするカラダや肌をつくるためには、アンチエイジングを意識した生活習慣が大切です。バランスのよい食事、ウォーキングやストレッチなど適度な運動、質の高い睡眠、タバコを吸わない生活、ストレスの少ない生活などを心がけましょう。

また、冬や夏のエアコンの使い過ぎは乾燥肌の原因になります。暖房やエアコンを使う場合は、加湿器などで部屋を保湿するなど工夫しましょう。
紫外線ダメージも乾燥肌の原因になるので、日焼け止めで紫外線対策を行うことも立派な保湿といえます。

まとめ

本来、保湿力は自分自身の肌に備わっている機能です。だから、まずはアンチエイジングを意識した生活習慣を心がけることで健康なカラダをつくり、そのうえで、スキンケア化粧品などでの保湿ケアを行って、保湿された美しい肌を保ちましょう。